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2019年02月18日 [雑文(フィクション)]

蓮根

 以前、現場が忙しい時に助っ人で頻繁にきてくれたA君は役者になりたくて上京して15年位たったそうだ。
役者のオーディションを受けまくって端役でちょいちょいドラマや映画に出演していたが、勿論それだけじゃ生活していけないから長く建設業のアルバイトをしていた。
建築業のアルバイトは日雇いで日払い可もあるからA君のように役者、ミュージシャンを目指している人には丁度いいらしい。
最近A君は年齢的な事もあるのかオーディションを受けまくっても端役しかこないからなのか、オーディションを受ける事も少なくなり専ら建設業のアルバイトに明け暮れていた。

A君の実家は某県で先祖代々蓮根農家をしているそうだ。
A君 「俺んちの蓮根半端なく美味いっすよ。」
私 「じゃぁ、蓮根頂戴よ。」
A君 「嫌っすよ。半端なく美味いからそう簡単にあげられないっすから。」
A君は次男で蓮根農家は長男が継いでいるがA君の実家の蓮根は収益率が高く、その周辺の蓮根農家は絶対によそ者を入れずに
集落全体で先祖代々の蓮根利権を血縁関係者だけで守っているそうだ。
「うちの田舎は蓮根御殿が乱立してますから。」
「次男でも実家に帰れば蓮根の仕事も家も土地も車もあるんだ。」
「いずれは田舎に帰るから今だけ役者の夢をみている。」と語るA君。
何年も前から「家賃や食費がタダになるから」と言って役者志望A君は20歳以上年上の彼女と彼女の母と同棲していた。
A君に「彼女にはその事を伝えてるのか。」と聞くと
「言えるわけないっしょ。」と言うA君。
その後A君の実家から蓮根が送られてきた。
縦1m横40p高さ15pの大きなダンボール箱の中にさらに90リットルのゴミ袋に包まれた
4節に繋がった泥だらけの立派な蓮根が3本入っていた。
最初段ボール箱を明けた時に泥しか入ってないじゃん。と思ったほどの真っ黒い泥まみれの蓮根だった。
水道水をジャーと勢いよくかけると真っ黒い泥の中から真っ白いきれいな色の太く立派な蓮根が現れた。
蓮根を丁寧に洗って水気を拭き取り(この蓮根は灰汁がないので灰汁抜きが要らないらしいです。)
2p位に輪切りにしフライパンに1p位オリーブオイルを入れて両面をきつね色になるまで揚げ焼きして
塩をかけて食べたら、シャキシャキと歯ごたえがあるのに蓮根が瑞々しくて口の中に蓮根からでた甘い水分が広がるのだ。
A君の言うとおり半端なく美味い。
てんぷらやきんぴら、煮物にする事なく揚げ焼きの調理方法だけであっという間に3本消費してしまった。
東京の八百屋さんで買った蓮根では味わえない、生まれて初めて泥から掘り立ての蓮根の瑞々しさを味わった。
A君が蓮根を送ってくれたのは後にも先にもこの一度きりだった。
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